それは「東方Projectを評論する」という試み。
各参加者による対談、レビュー、コラムなどから東方Projectを、そして東方界隈を読み解く一冊。
東方評論の最前線がここに在る。
FMシンセバンドという設定である幺樂団によって演奏される楽曲を、稗田阿求は「幻想郷にはない未来の音がして最高です」と評している。未来の音がするということは、果たして未来の幻想を見せていることと同じだろうか。
東方の二次創作は、各コミュニティの中、あるいは影響力の強い個人によって作られたネタが界隈に広がり、流行となることがしばしば見受けられます。そしてその後にテンプレ化し、界隈全体の共有認識として定着する、という流れがあります。
大きな物語が終焉して、代わりに中心の存在しないインフラ(ネットワーク)の中で多様なコンテンツ消費される現状において、強いて言えば東方は「中くらいの物語」という位置づけでしょうね。(村上裕一)
同人のデザインって位置づけとしては掛け算でしかないと思うんですよ。デザインだけでは評価は得られないと思ってるんで。
ただ、東方のように規模が大きくて受け手の多いジャンルで作り手のデザインに対する意識が高まっているのは嬉しいですね。(赤りんご)
鉛筆を主とした描き込みの密度は他に類を見ない程。漫画は一ページ辺りのコマ数が多く、また一コマの密度も濃いために僅か数ページであっても莫大な情報量が飛び込んでくる。『猩々緋』や『The Flying Dutchman』など、夢と現が曖昧になる幻想的な作品が特徴。読み進めるにつれてチヒロ氏の描く幻想の世界に誘い込まれるような、魔力を帯びたサークルだ。(紡:サークルレビュー【KEMONOMICHI】より)

